寄せては繰り返すしあわせの波

7月のお題は「海」。
なんともひねりのない(と言ったら編集鳥に怒られそう)テーマだけど、
何を書くかは自由なので、どんな記事を作るか試されてるような気もしなくもない。

いっそのこと一人で海に行って写真でも撮ってこようかとも思ったけど、
たいしたネタにもならないだろうし、そういうの、既にやった気もするし。

で、海、うみ、ウミ、umi……って考えていたらちょっと思い出した。

青海波(せいがいは)が好き

きっと多くの人が見たことはあると思う。

この和柄の名前が、青海波(せいがいは)です。
青い海の波。
そのまま過ぎるアッパレ感満載なこの響きを
なんだか気に入っている。

実はこの柄に込められた意味もアッパレで、
「海」なんてテーマを出されたこのチャンスを使って
お伝えしたいと思います。

ということで、
日本文化ヲタクのひとり語りに
少々お付き合いくださいませ。

寄せては繰り返す、幸せの波

そもそも青海波は、縁起のよい図柄や動植物を描いた
吉祥文様(きっしょうもんよう)のひとつ。

寄せては返す穏やかな波のように、
平穏な日々がいつまでも続きますように。

といった想いが込められています。

考案されたのはなんと古代ペルシャで、
シルクロードを通って、
中国から日本へと伝えられたとか。

そして青海波という名前は、
源氏物語にも登場する雅楽の演目『青海波』からきているそう。
このときに身に着けられた衣装の模様が、
そのまま名前になったとのこと。

でも、現代っ子としてはWi-Fiマークに
見えなくもないところがまた
なかなか可愛いなと思ったりもする。

何気ない日常にねがいを込めて

わたしは茶道を学んでいる都合上、
茶の湯のときに使用する道具を通して、
和柄や伝来物の柄をたくさん見られる機会に恵まれていると思う。

一つひとつのモチーフや図形に昔の人々の願いが込められていて、
いろいろ調べたら本当に奥が深そう。

そんなものたちを日常に少しずつ取り入れられたら
素敵だなと思ったり。

「海」がテーマだからと、今回は「青海波」をご紹介しました。
他の吉祥文様も、ちょっとずつ取り上げていけたらいいな。

ABOUTこの記事をかいた人

ライター・編集者。1991年うまれ。出版系の制作会社に入社後、2015年からフリーランスに。雑誌やweb媒体を中心に記事の執筆・編集を行っている。日本のものが好きすぎて、顔がこけしに似ていることをオイシイと思っているふしがある。