リライト:追憶のヴァレンタイン

このリライト記事について
リライト:元の文章を、より読者に届くように手を加え、書き直すこと。
この企画では、黒歴史ともいえる過去のブログ記事を自分自身でリライトし、なんとか読めるものに変えるという挑戦をしてみます。今回の記事は、2015年の2月12日に書いたもののリライト版です。

はじめに

仕事が終わってチョコを選びに出かけていた時に、ふと「追憶のヴァレンタイン」というフレーズが蘇ってきました。

2015年の2月12日に書いたブログのタイトルです。

なんでこんなこと思い出してしまったんだろう。と後悔したのはいうまでもありません。

とはいえ多くの書き手さんが、「黒歴史」とも呼びたくなるようなブログをお持ちなのではないでしょうか。

けど、黒歴史ブログのリライトはこれまで温めてたアイデアのひとつだったので、Chikenでちょっとやってみることにしました。

過去記事のリライトはたまにするけど、自分のブログ記事となると話は別です。

元の記事に赤入れしたものはこちらです

「追憶のヴァレンタイン」は特に、読み手への説明不足が目立ちます。

24歳のわたしには、読まれる記事として書くっていう意識がなさすぎました。
というわけで、記事の内容自体は同じだけど、全面リライトをするはめに…。

というかそもそも「バレンタイン」を「ヴァレンタイン」としてるのに、そのネタ感を記事内で回収できてないのがダサくて反省しました。

あと、前置きの割にオチがしょうもなさすぎる。笑

本来なら当時のブログにリンクを飛ばしたいところですが、黒歴史が散りばめられすぎててネタの宝庫なので、今回のように小出しでリライト記事つくるために非公表とさせてください、、、(言い訳)

なにはともあれ、過去の自分に小さく傷つくことは、今の自分の成長に気づけることでもありますね。

頑張ってリライトしてみたので、よければ試し読みでもしていってください。

 

追憶のヴァレンタイン(リライト版)

2日後にバレンタインを控えた週末。

恋人たちは本来ならこの土日にデートをしたり、チョコレートにまつわる甘い時間をすごすのでしょう。

だけど私の彼は大忙しで、かれこれ5日も会っていない。
今日も今日とて仕事だそうで、私は自分のために美容院を予約した。
全然大丈夫だもん。お互いに元気ならそれでよし。

あとで落ち着いたら、調子に乗ってチョコレート味のカクテルでもおごってあげよう。
とかいって、結局それはハイボールと枝豆に変わりそうな我々だけど。

ところで私は、バレンタインという行事が実はけっこう好きだったりする。

ハロウィンやクリスマスで街が湧くのには鳥肌が立つけど、
なんでか、ずっとまえから、バレンタインの時期はそれらとは一線を画してワクワクしてしまう。

ここでひとつ、バレンタインのささやかな思い出を聞いてください。

私の地元はいわゆる僻地(へきち)で、小・中学校時代は同学年が10人ほどしかいない環境で生きてきました。

バレンタインデーともなれば、クラスの男子はもちろんのこと、
学校の先生たちの分まで手作りチョコを用意して配るという、暗黙の決まりみたいなものがありました。

2月14日の放課後になると、女子たちはお母さんの車に手作りチョコをたくさん詰め込んで、クラスメイトの男子や先生のおうちを一軒一軒訪問します。

漫画とかのシチュエーションでよくある、幼馴染へぶっきらぼうにチョコを渡す「はい、バレンタイン。」というのを、10人分くらいやるのです。

でも田舎の学校だったからこそ、今後の気まずさと天秤にかけて、恋心はずっと秘密にしておくのが正義みたいなところがありました。

だから、渡す方ももらう方も、当然のようにそれを「義理チョコ」としてやりとりします。
(でも、気になっている子へのチョコだけこっそりハート型とかにして)

さてさて、「手作りチョコが当たり前」の文化でどういうことが起きるかというと、「比較」です。

市販の板チョコを溶かして型に入れてまた固めるっていう、
今考えるとチョコレート会社さんに謝りたいようなエセ手作りしかしなかった小学校低学年の頃はまだよいのです。

そんなんじゃあまり差はつかないから。

問題は、下心という感情がわかりはじめた中学時代。

私たち女子は、手作りお菓子のクオリティを男子に比較されなきゃいけない状況に直面することとなりました。

他の子よりもお菓子作りが下手だなんて思われたくない、という気持ちも芽生えます。

お菓子の美味しさだけでなく、ラッピングのクオリティだってそう。

 

そして、今でも忘れない出来事、それは中学2年生のバレンタインに起きました。

14歳のバレンタイン、私はチョコブラウニーを焼くことに決めて、
ラッピングも、安っぽく見えないようになかなかこだわりました。

透明のフィルムの袋に、お店でプレゼントを包んでもらう時に使うような、黄緑色の細長い紙屑を敷き詰めて、なかなかうまく焼けたブラウニーを長方形に切って何個かずつ入れて…

なんでこのときに気が付かなかったんだろう。

翌日みんなに渡すと、誰からともなく
「これどう見てもトンカツじゃん!!」
と言われまして。

思わず自分も「たしかに」と納得してしまった。

そう、黄緑色の細長い紙はキャベツで、茶色のブラウニーはころものついた厚切りのお肉に見えなくもなかった。というか、言われたら自分でもそれにしか見えなくなっていました。

ナイスツッコミすぎて笑うしかなかったし、
その年、「あいつはトンカツを配ったらしい」と学校でちょっと盛り上がった?のでした。

ばかだったなぁ。
みんなげんきにしてるかな。

 

ABOUTこの記事をかいた人

ライター・編集者。1991年うまれ。出版系の制作会社に入社後、2015年からフリーランスに。雑誌やweb媒体を中心に記事の執筆・編集を行っている。日本のものが好きすぎて、顔がこけしに似ていることをオイシイと思っているふしがある。